「やだ、大丈夫!?」

オーディンは、フッと笑った。

「大丈夫だ、暫くこのまま止まっていてもらう」

「どうして?!」

「アホなお前にだけ話があるからだ」

アホな、私にだけ……。

シオンはオーディンを見上げた。

それから、戦いのために荒れた大地と、やっと顔を見せた太陽を見つめる。

「まだ分からないか?」

シオンはオーディンの隻眼を見つめて口を開いた。

「私、本当にバカですよね」

「気付いたならまあ、いーんじゃねーか」

コクンとシオンが頷いた。

オーディンは、柔らかく笑った。