シオンは俯いた。

「もうひとつの願いが、この世界の平和だとよ」

ファルの反応を楽しむように、オーディンは続けた。

「こいつ、俺に身を捧げるってのがどういう意味か分かって言ってんのか知らねーけどな」

言いながら綺麗な片眼をシオンに向ける。

「分かってます」

ちょっと眼をあげて、オーディンを見つめる顔が以外と可愛い。

オーディンはクスッと笑った。

「わかったわかった。じゃ、望みを叶えてやる。この世界を平和にすりゃいーんだな。その代わり、もう二度と人間界には帰れないぜ。夜な夜な俺に抱かれるのも覚悟しろよ」

シオンはしっかりと頷いた。