そんな兵士達に食事の世話をしているのは戦士のようないでたちの女性で、シオンは僅かに驚いた。

「あの乙女達がヴァルキューレだ。戦死者を此処へ連れてきたり、食事の世話をする」

……ヴァルキューレ……。

その時、大勢の青年の中に見知った髪色を見つけ、シオンはドキッとした。

夜空に光る月のような銀の髪。

それは正しくカイルであった。

カイルは隣の青年に何か言うと、大きく口を開けて笑い、肘でコツンと彼をつついた。

すると今度は反対側の青年がカイルの首に腕を回して引き寄せ、その耳に何かを囁く。

彼が言い終わるや否や、カイルは天井を仰いで弾けるように笑った。

ひとしきり笑うと、グラスを手に取り、それをグイッと飲み干した。