……どういう事なんだろう。

何故、死んでしまったカイルに会えるんだろう。

「言ったろ?ここは戦死者の広間だ。カイルは戦死者じゃないが、特別に俺が迎え入れた」

戦死者がいる広間だけど、カイルは特別……。

「薄々勘付いてるだろうが、カイルはシリウスに処刑された」

シオンは大きく息を飲んだ。

心臓を撃ち抜かれたような痛みに襲われて、思わずよろける。

オーディンの両肩に留まった二羽のカラスが、何か囁くように彼の耳元で鳴いた。

「けど、お前のせいじゃねーよ。カイルは、死にたかったんだ」

「……何故?なぜカイルは死にたかったの?」

オーディンは唇を引き結んでシオンを見つめた。