◇◇◇◇

どれくらいそうしていたかは分からない。

シオンは小さく彼の名を呼んだ。

麻袋をずりさげて、カイルの身体を丁寧に出すと、シオンは彼の全身を眺めた。

「カイル?」

シオンは虚ろなカイルの青い瞳を見つめた。

先程の兵士の言葉が甦る。

『シリウス様からの贈り物を届けに来ただけだ。ゆっくり拝みな!裏切りの代償……ああ、『愛の代償』と言うべきかもな』

シリウスからの贈り物。

裏切りの代償。

愛の代償。

殺したんだ、シリウスが、カイルを。

自分の命に背き、私を愛した代償に。