「……っ!!」

月の光を思わせる銀色の髪。

海のような青い瞳。

「きゃあああー!!!」

やだ、やだ、やだ、やだ!!!

「きゃあああー!!!」

なんで、どうして、どうして!!!

それは、変わり果てたカイルであった。

どうして、どうしてこんな……!!

シオンはカイルの上に突っ伏すと、その顔を両手で包んだ。

「カイル、カイル!!」

カイルが返事をすることはなかった。

冷たい美貌は、生気を失い、凍り漬けの人形のようである。

顔に傷は一切なかった。

「カイルー!!」

シオンはこれ以上泣き叫べない程に泣き、そして叫んだ。

戦いは相変わらず激しく、誰の耳にもシオンの悲嘆にくれる叫びは届かなかった。