……で、寝ちゃったんだけど。

いや、そんなこと言うと誤解を招く気がするし……どうしよう。

「理由を説明しろ」

偉そうな口調に、シオンは思わずムッとした。

なによ、いつもいつも上から目線で。

そりゃ、あなたはかっこいいし、王子さまだけど。

「ファルなんか、嫌い」

「っ……?!」

シオンは起き上がると、ツンと横を向いた。

……幼いと笑われてもいい。

だけど、今だけ、ほんのひとときだけ、彼を困らせたい。

「おい、俺を見ろ」

「…………」

「…………」