寝台に寝そべる自分の顔を、不満げな顔でファルが見つめている。
「……香と寝ると聞いたが。
……なぜマーカスの部屋で寝てるんだ」
本当はマーカスから説明されたが、焦ったシオンを見ているうちに困らせたくなった。
整ったファルの顔が間近に迫り、シオンはドキドキと胸が鳴ったが、昨夜のマーカスの言葉が甦り、口を引き結んだ。
『アイツはお前を大切にしたいんだ。
神に捧げようなどという気は毛頭ない。お前が男と肌を合わせた事がないのは周知の事実だし、好きな女の初めてが野営の建物の中だというのも良くないと、アイツは思ってるんだ。この戦いに決着をつけ、きちんとお前と向き合いたいんだろう。だが、アイツはそんな事を上手く語るタイプじゃない。ハッキリ言って言葉足らずだ。察してやれ』
マーカスの言葉は、シオンの心を柔らかくすくいあげた。
そんなマーカスに背中を擦られていると、シオンは次第に落ち着き安心したのだ。
「……香と寝ると聞いたが。
……なぜマーカスの部屋で寝てるんだ」
本当はマーカスから説明されたが、焦ったシオンを見ているうちに困らせたくなった。
整ったファルの顔が間近に迫り、シオンはドキドキと胸が鳴ったが、昨夜のマーカスの言葉が甦り、口を引き結んだ。
『アイツはお前を大切にしたいんだ。
神に捧げようなどという気は毛頭ない。お前が男と肌を合わせた事がないのは周知の事実だし、好きな女の初めてが野営の建物の中だというのも良くないと、アイツは思ってるんだ。この戦いに決着をつけ、きちんとお前と向き合いたいんだろう。だが、アイツはそんな事を上手く語るタイプじゃない。ハッキリ言って言葉足らずだ。察してやれ』
マーカスの言葉は、シオンの心を柔らかくすくいあげた。
そんなマーカスに背中を擦られていると、シオンは次第に落ち着き安心したのだ。