う、わあっ!

あっという間に馬上に抱き上げられ、シオンはファルに支えられるような形で馬に股がった。

「ちょ、ちょっと、待って」

背後のファルが顔を寄せる。

「なんだ」

爽やかなファルの香りがシオンを包み、シオンは更にドキドキして焦った。

「怖い」

「何が怖いんだ」

シオンは振り返りぎみで答えた。

「私、馬に乗ったことがないの。だから、落ちそうで」

「俺が後ろから支えといてやる」