……そうだ……。

シオンは香の言葉を思い出し、思わず息を飲んだ。



『あ、そうそう『七色の瞳の乙女』ってさ、処女じゃなくなると力が無くなるのよね。
愛してないなら……国の為に利用するだけなら、肌を重ねようとはしないはず。
……試してみれば?』



そうなる相手は、ファルがいい。

……ファルに、抱かれたい。

もしもファルが私を好きなら、利用する気がないなら、彼は私と……。

でも恥ずかしいし、なによりそれ以上に怖い。

その時である。

「寝台はお前が使え。俺はここでいい」