それを見たリラは、勝利感に全身が震えるようであった。

私が叶わない恋を手に入れた女を、迷わせ傷付けたい。

出来ることなら、この二人の恋をめちゃくちゃに壊してしまいたい。

『ね?捧げ物におなりなさい。それがファル王子の望みです』

◇◇◇◇◇◇◇◇

もう馴れた。

不思議なこの世界に。

自分が、『七色の瞳の乙女』である事にも。

リラ王女の言葉も、きっと本当なのだろう。

最高神オーディンとやらに身を捧げると、それと引き換えに、願いを聞き入れてもらえると言うことも。

けれど。