瞳はキラキラと輝いて、目まぐるしく色が変わったかと思うと、虹のように瞳全体が多色化した。

状況により、変化するのか……?

その時、フッとシオンがファルを見上げた。

「あ、あの、ありがと」

栗色の髪が揺れ、甘い香りがふわりと漂う。

大きな瞳が真っ直ぐにファルを捉え、彼は思わず息を飲み、慌てて眼をそらした。

「その先の木に、馬をつないでいる」

体の中を駆け巡る妙な感覚が、ファルを早口にさせた。