「おい」

近づいてシオンの片腕を荒々しく引っ張りあげる。

「うっ!」

よく見ると、見えている肌は、赤く擦り切れていたり青く腫れ上がったりと、痛々しい。

それに先程自分が握り締めた手首は、指の跡が残るほどに腫れていた。

ファルはシオンの顔を見つめた。

痛みをこらえるために、花びらのような唇を引き結び、大きな瞳は潤んでいる。

その時、シオンの瞳がキラキラと七色に光った。

ファルは息を飲んで眼を見張った。

これは…!