「ファル……」

振り向くと、ファルが立っていた。

エリルの森で出逢い、別れ別れになってしまっていたが、彼はあの時と代わりなく素敵だった。

シオンはファルをみてフワリと笑った。

緊張続きだった身が、心なしか柔らかくなる。

「ファル、言い遅れたけど……」

グラリと視界が傾き、シオンは態勢が崩れた。

……あれ?なに?何だか気分が悪いけど……でも、言わなきゃ。

「凄く、会いたかった……」

完全に目の前から光が消え、シオンは何も分からなくなって意識が途絶えた。