リーディックは、シオンを抱き締めた。

「ありがとう、シオン!お前のことは一生忘れない!
……俺の家は、代々『鳥使い』なんだ。お前に手紙を書くよ。鳥に届けさせる」

シオンはリーディックの胸から身を起こして頷いた。

「うん、待ってる!……もう行ってリーディック。
あなたの幸せを祈ってる!」

リーディックは、泣きながら笑った。

「いつか、会えたらいいな!じゃあな、シオン」

「さよなら!」

降りしきる雨の中、シオンは馬で去っていくリーディックを見つめた。

……良かった、渡せて……。

「シオン」