「リーディック!!リーディック!!」

カイルとファルの兵達の戦闘を覚悟していたが、予想に反して外は静かだった。

「リーディック!!リーディック!!」

シオンは必死でリーディックを呼んだ。

ここで会えなかったら、彼のお母さんを助けてあげられない。

嫌だ、リーディックには幸せになってもらいたい。

豪雨に打たれながら、シオンは諦めずにリーディックを探し続けた。

「リーディック!!」

喉が痛いくらい叫んだ直後である。

「シオン!!」

馬の嘶く声と重なるようにリーディックの声がし、シオンは弾かれたようにそちらを向いた。