ダメだ、嫌がればまた疑われる。

シオンはゆっくりと眼を閉じた。

カイルのキスは以前と違った。

なんなの、どうして?

とても優しくて、全然強引じゃなくて。

訳がわからない。

カイルはそっと唇を離し、シオンを恐る恐る見つめた。

互いの視線が絡み、暫く見つめあった後、カイルは囁くように尋ねた。

「……嫌だった?」

カイルの真っ青な瞳は、何かに怯えているように不安げに揺れている。

シオンはそんなカイルを見て眉を寄せた。

「…………」

シオンが首を横に振ると、カイルは僅かに小さく息をもらした。