シオンは、かねてからの疑問を思い切って尋ねた。

「この傷が治っても……また、私は刺されるの?刺されて、また動けなくされるの?」

怯えた瞳に固い声。

カイルはグッと眉を寄せた。

「そんなこと、させない」

心の底から、カイルはそう思った。

誰にもシオンを傷付けさせない!

誰にも渡さない!

カイルは我慢できずにシオンを引き寄せると、唇に口付けた。

「……っ!」

シオンは、ビクッとしてカイルから逃れようとした。

けれどすぐに耐えた。