……馬に乗れるようになったら、黄金族人間……ファルのもとへ帰る気なんじゃないのか?

そんなの許さない。

「ダメだ」

「どうしてっ!?」

カイルは、冷たく光る瞳でシオンを一瞥したが、彼女に言葉を返さなかった。

……カイルは、私を信用してないんだ。

だから、乗馬を教えてはくれないんだ。

……信用されなければならない。

ファルと香に再び会うために!

シオンは、カイルに気付かれないように深呼吸をしてから、フワリと微笑んだ。

「分かった。……わがまま言ってごめん」

カイルは眼を見張った。

笑ったシオンを見た途端、胸が高鳴る。