国王ダグダ率いる軍は、すぐさまニア帝国を目指した。

アーテス帝国の北西に位置するニア帝国は同盟国である。

出来るだけ早くニア帝国に入り、兵達を休ませてアーテス帝国へ奇襲をかけるのだ。

アーテス帝国国王シリウス軍は、かなりのダメージであった。

ダメージを与えたのは他でもない、ダグダである。

きっと今ごろは、アルゴ、ジュード、ロイザがリーリアス帝国に帰還したのを耳にしているだろう。

近いうちにシリウスは、ケシアの都から自国アーテス帝国に帰還するはずである。

シリウスの性格上、長々と国を空けるような真似しまい。

ダグダはグッと前を見据えて愛馬の手綱をさばいた。

◇◇◇◇◇◇◇◇

「グズグスしている暇はない!出来るだけ早く兵を立て直してケシアに入るぞ!黄金族人間の強さを白金族人間にわからせてやるんだ!」

ファルがグルリと仲間を見回した。

皆が皆、頷いて不敵な笑みを浮かべた。