「俺もカオルの意見に賛成だ」

マーカスの静かで落ち着きのある声が響いた。

「すまなかった」

呟くように言うと、ファルは眼を伏せた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ジュードとロイザは、しばらく寝台から出られずにいた。

なかでもロイザの胸の傷は深く、長く意識が戻らなかった。

帰還から数日後、ようやくロイザが目覚め、皆が胸を撫で下ろした。

「まだ熱が高いから、無理はするな」

ファルは、弟のようなロイザを見つめた。

「ケシア奪還には僕も行く」

「ダメだ。傷が深すぎる。死にに行くようなものだ」