……嘘だ。

言葉で確かめた訳じゃないが、俺には分かる。

互いの想いは同じだった筈だ。

口付けた時に分かったんだ。

ファルは唇を引き結んだまま、アイーダを凝視した。

…………。

アイーダは、そっと視線を上げてファルを見た。

男らしい眉の下の黄金色の瞳が、真っ直ぐに自分に向かっていて、思わず鼓動が跳ねる。

ドキドキとうるさい心臓に困り、アイーダは胸の前で両手を組んだ。

男らしく逞しいファル。

彼を自分のものにしたい。

……今しか、ない。