「聞かせてくれ」

男らしく凛々しい声でファルにそう言われ、アイーダは息を飲んだ。

場所はアイーダにあてがわれた狭い部屋である。

「アイーダ、シオンをどこで見た?!あいつはどうしている?!」

アイーダは眼を伏せ、眉を寄せると苦しげな表情で俯いた。

「私はケシアの都で、捕らえられた七色の瞳の乙女を見ました。彼女はそこで……白金族人間の王と恋に落ち、王に肌を許しました」

な、に……?!

ファルは、眼を見開いて息を飲んだ。

シオンが、シリウスと恋に落ちた?!

シリウスと、肌を重ねただと?!

ファルは、小刻みに首を振りながらアイーダを見つめた。