ぎこちなく微笑んだシオンが、自分を受け入れてくれたような気がしたのだ。

ありがとう……。

カイルの胸がフワリとした。

だが、どうしていいか分からず、片手で口元を覆うと、視線を忙しなくさ迷わせて横を向いた。

シオンは渋い何かを噛み潰す思いであった。

ありがとうですって?

誰が感謝するもんか。

けど、欺かねば。

ファルに再び会うために。

シオンは花のように笑った。

何だってすると、誓ったから。

カイルは目眩がした。

なんと可愛らしいんだ。