カイルとシオンは気まずいまま、同じ部屋にいた。

ああやだ、この重苦しい雰囲気。

けど、下手に喋りかけてわざとらしいと思われたくないし。

シオンは手持ち無沙汰もあり、シリウスに刺された足の甲に眼をやった。

そっと布を外すと、恐る恐る傷口を見た。

……縫ってある……。

細かく、丁寧に。

傷の長さは4センチ未満で、場所は、中指と薬指の丁度間である。

……確か、連れ去られた初日に出血がひどくて、カイルに薬を飲まされて意識がなくなって……。

多分その時に、縫われたんだ。

……誰に?