カイルはハアッと溜め息をついて腰を下ろすと、中庭の池を見つめた。

どうも調子が狂う。

あの、七色に輝く瞳のせいなのか?

女なんか、どれも同じじゃないのか?

どうしてシオンには、通用しないんだ。

女など、甘く囁いて優しく口付けたら、恍惚の表情で俺を見つめて、最後には熱に浮かされたようにこう言うものだと思っていた。

『カイル様のお心のままに』と。

それが、シオンはどうだ。

暴言は吐くわ、俺の顔に蹴りは入れるわ、頭突きはするわ。

気が強いと思えば、しくしく泣くし、だからといって弱々しいわけでもなくて。

……今のままじゃダメだ。

シオンは、絶対俺を嫌な奴だと思っている。