カイルは暴れるシオンをガッチリと抱え込んで優しく誘うように口付けた。

やがて顔を離すと、スッと立ち上がりシオンに背を向けた。

「バカッ!カイルの変態!勝手にキスしないで!」

キス?口付けの事だろうが……。

「『キス』ですんだだけ有り難く思うんだな」

カイルは冷たく言い放つと、部屋を後にした。

ああ、私のバカ!

完全にカイルのペースだ。

これじゃ、いつまで経っても監禁状態から抜け出せやしない。

シオンは深呼吸した。

逃げるには。