「嘘つけ」

冷たく整った顔に皮肉げな笑みを浮かべて、カイルはシオンを部屋の端から一瞥した。

くっ、読まれてる、完全に読まれてるっ。

カイルって、鋭いし抜け目がない。

……油断させるには、どうすれば。

「わっ!」

色々と思いを巡らせているうちに、いつの間にか近付いてきたカイルが、シオンの寝台に勢いよく腰掛け、彼女はビックリして小さく叫んだ。

「なに?!」

「君の耳飾りについて……聞きたい?金の耳飾り」

シオンが眼を見開いてカイルを見た。

「返して!」

……ほら、やっぱり。