青くなって辺りを見回しているシオンを見ると、カイルは胸の不快感が限界に達した。

その時、ふと顔をあげたシオンとカイルの視線が絡まる。

げっ!

……いつから見られてたんだろう。

シオンは一瞬ギクッとしたが、平静を装いながらさりげなく眼をそらし、開いている窓の外を見つめた。

俺には関係ないと?

……入り込んでやる、シオンの心に。

「探し物?」

「別に」

シオンは無表情で答えた。

「耳飾りを無くしたとか?」

「……無くしてない。つけてないだけ」