近衛兵がジュードの腕からロイザを引き離して医者の元へと運び、ファルはジュードの愛馬の首もとを叩いて労った。

「ガーリア、よく主人を連れて帰ったな!偉いぞ!」

ジュードの愛馬ガーリアは、嬉しそうに嘶くと脚を止めた。

「ジュード!」

一際ファルが大声で呼ぶと、ジュードは弾かれたようにファルを見つめた。

次第に瞳から猛々しい光が消え、ファルに焦点が合い始める頃、ジュードは口を開いた。

「ファル……」

「よく戻った!」

ジュードはニヤリと不敵な笑みを浮かべたかと思うと、フッと意識を失い、前のめりに崩れていった。

「支えろっ」