香は安堵して手を差し出した。

「よろしく」

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現在、白金族人間に占拠されているダグダの別荘は、かなり広い。

アルラの話では、白金族人間の王シリウスを筆頭に、国の主要人物の半分がここに集結しているらしい。
兵隊達をはじめ、食事係などの身の回りの世話係を含めると、約60名程が屋敷の中に常駐している。

そればかりではない。

当然と言えば当然だが、ケシアの都全体に、白金族人間の兵が配置されているらしかった。

とにかく、シオンの無事を確かめて、助け出さねばならない。

「カオルさん、シオンさんは、カイル様と同室です」

「カイル様って?」