「この辺に変質者って居るんだね。」
てっきり田舎なこの町に、変質者なんていないと決めつけていた美優。
場所なんて関係ないんだな。と改めて実感した。
「そうみたいだな。美優、気をつけろよ?」
「うん。」
気のせい?最近お母さんとお父さんの態度が少しおかしい。それに、担任の先生まで…必死に何かを言おうとしていたのが分かる。
何があったんだろう?
美優は思った事を竜に言ってみた。
「確かに、お母さんとお父さんの様子最近、おかしいよな。」
だけど、竜にもその理由が分からないみたいだった。
「とにかく、1人で行動するなよ。」
「うん。」
竜はいつもこうして美優の事を、心配してくれる。凄く嬉しい。今度、竜に何かをしてあげたい。そう思った。
「竜って誕生日いつ?」
「何、突然?」
「いつ?」
「明後日だけど?」
「明後日!?聞いてないよ!」
「言ってないもん」
「なっ…!って竜って七夕の日が誕生日なんだぁ〜」
「悪い?」
「悪いなんて一言も言ってないけど?」
「あっそ。」
「うん。」