少し経って、竜の部屋が開けられ、階段を降りる足音が聞こえてきた。




――ガチャ――




リビングのドアが開けられ、2人の微妙な表情の顔が顔を出した。


「ちゃんと話し合えた?」

慶太も一番聞きたい事を美優は2人に向かって言った。


「あぁ。」

いつもの竜の返事。
その隣で光輝先輩がうなずいた。




何を話し合ったかは、あえて聞かない事にした。
というか、美優からその事に対して、質問しないように心がけた。

美優が首を突っ込む問題じゃないってこと、最初っから分かっていたけど、自分と重ねてしまった竜の気持ち。

それが申し訳なかった。だから、美優はこれ以上首を突っ込まない。

竜が美優に話してくれるのは、別として。竜を見守るのが、今の美優が出来ることだと思うから。




「それじゃぁ」

美優と慶太に挨拶をしにリビングに来ただけなのだろうか、そう言って玄関に向かった光輝先輩。

それを見送る為に、3人で光輝先輩の後を追う。




「迷惑?かけちゃって悪かったな。」

最後にそう残して、光輝先輩は帰って行った。

光輝先輩、美優の方が何も分かって無かったのかも…