「ラフ!」

子犬ちゃんは辺りを見回して、美優の方へ向いた。
子犬ちゃんは、一瞬首を傾げると、タッタッタッタと駆けて来た。

「ラフで決まりだな。」

そう言って竜は、走って来たラフをおもいっきり撫でてあげる。




それにつられて、3人でラフを撫でた。
気持ち良さそうに、目を細めるラフは凄く幸せそうに見えた。




美優も…美優も…
自分の手で幸せを見つけなきゃね。ラフ。

そんな思いで、美優がラフを撫でている事を誰も知らないだろう。




ラフは少しずつ毛並みも揃ってきて、少しずつ肉のある体つきになっていった。

もう痩せ細った様な骨も見えなくなり、傷が所々あった赤身がある所も目立たなくなってきた。




いつの間にかラフは美優にとって、癒しの存在ともなっていて、家族くらい大事だ。
というか、ラフはれっきとした高瀬家の家族だよね。



ラフ…ありがとうね。
美優に、生きる条件を与えてくれて。癒しを与えてくれて。

ラフには感謝の連続だよ。

ラフは幸せかな?
うん。きっと幸せだと思う。

だってこんな笑顔をしているのだから…