家に帰ると、お母さんが朝食の支度をしていた。

玄関の音に気づいたのか、お母さんはキッチンから顔を出した。

「美優ちゃん!?どおしたの?」

「ちょっと公園に行ってて…」

「こんな朝早くに…危ないじゃない。これからは、声をかけてから行くのよ?」

「うん。ごめんなさい。」

「よし。あれ…?その子犬どおしたの?」

「公園で拾って…お母さんこの子犬飼っちゃダメ?」


なんとかお母さんを納得させようと、ハリキっている美優に対して、子犬はスヤスヤと美優の腕の中で気持ち良さそうに眠っている。

お母さんは手を伸ばして、その子犬を撫でた。

「こんなにボロボロになっちゃって…
今日、病院に連れて行ってあげなきゃね。」

お母さんはニッコリとそう言って、朝食の支度に戻った。




飼ってもいいのかな?

美優は一瞬考えて、飼ってもいいんだ!って分かり
嬉しくなって、お母さんの居るキッチンへ子犬のご飯を貰いに行った。




まってました!
と言わんばかりに、タイミング良く目を覚まし、勢いよくご飯を食べる子犬ちゃん。

お母さんがクスクスっと笑って

「最初来た時の美優ちゃんと似てるわ」

と言った。