冷静を少し取り戻した所で、美優は光輝先輩を部屋に通した。

こんな響く廊下で話していたら、周りに丸聞こえだ。




「それで竜に、謝るの?」

話しを戻して、光輝先輩の様子を見る。

ドアの前に立ち尽くして、床の一点を見つめて居る。




「謝りに来たんだから、当たり前だろ?」

「…光輝先輩が竜の立場だったらどう思う?
言いたい事言われて、これ程かってくらい傷ついて、
数日たったら、何食わぬ顔をして謝りに来るって
図々しいにも程があるよ。」

「じゃ俺はどうしろって、言うんだ?
てか、今ここに来たのは竜の話しをしに来た訳じゃないから。」

「え?
私は竜の話ししか聞かないし、話すこともないから。
竜の事じゃないんだったら、出て行ってくれる?」

「一つだけ言わせて?」




「……」

「俺自分の事しか考えられなかった。美優ちゃんの事全然知らないのに、失礼な事言ったりして…
ごめんな?」

「…謝んないでよ…」

「…えっ?…」

光輝先輩に謝れたら、美優何も言い返せないよ。