「久しぶりだな。どうした?」
慶太は光輝先輩に、嬉しそうに言った。
光輝先輩はちょっと困った顔をして
「竜居るか?」
やっぱり…竜に会いに来たんだ。何を言うつもり?
これ以上竜を傷つけないで欲しい。
そんな思いが顔に出てしまったのか、美優は眉間にシワを寄せてしまっていた。
それに気づいた光輝先輩が、また困った様な顔をして
「この子は?」
美優に顔を向けて言った。
「あっこいつ美優。俺らの家族。」
「慶太、妹なんて居たっけ?」
「居たよ。」
当たり前の様に、"居たよ"嫌な顔もすることなく慶太が言ってくれた事に嬉しくなる。
光輝先輩はチラっと美優を見て、また慶太に向き直る。
「ふぅーん。で、竜は居るか?」
「竜なら部活だけど?
なんならアイツが帰ってくるまで、上がってる?」
「嫌…いいわ。」
「何言ってんだよ?
久しぶりに会ったんだし、竜が帰ってくるまで上がってろよ!な?」
半ば強引に慶太は光輝先輩を家に上げた。
「てか竜に何用なん?」
「えっ…あぁ…。ちょっとな。」
言いにくそうに、光輝先輩は顔をしかめた。