教室について、ドアの前で竜は美優を見た。
美優は意味が分からず、首を傾げると、竜はニヤっと笑って、ドアをおもいっきり開けた。
――バン!――
目の覚める様な音にクラス中の視線が、美優と竜に向けられる。
何をするんだろう?
竜はつかつかと歩いて、優ちゃんが居るグループに
「お前ら、今度美優に何かしたら許さねぇ。
女だからって甘く見ないからな。」
そんな事を言った竜の言葉に、美優は唖然。当然クラスメイトも。
優ちゃん達の鋭い視線が美優に向けられる。
"チクっただろ"
"許さない"
そんな目…
そんな目に気づいたのか、
「言っとくけど、美優は何も俺に言わなかったよ。
何で俺がこの事知ってると思う?」
優ちゃん達は、首を振ってうつむいている。
今にも泣き出したくて、この場から逃げたいみたいだ。
そんな優ちゃん達をよそに、竜はニヤっと笑って
「お前らが美優に目を付けている事なんて、知ってたし。」