とぼとぼ1人で帰り道を歩く。虫の鳴き声が、道に響いて虚しい。こうやって歩くと、孤独感に襲われる。
学校の行き帰りはいつも隣には、慶太や竜が居て1人で帰った事がなかった。
1人で帰ってるんだ。改めて実感する寂しさ。そして、竜と慶太の優しさ。
何でこんな事でこんなふうに思ってしまうんだろう。
私はこんなにも弱いのかな?弱すぎるのかな?
愛ってなに?
誰か愛を美優に教えてよ。
美優に愛を頂戴よ。
そんな事を思う自分に驚いた。
前まではただ幸せになればそれでいいと思ってた。
なのになのに、こんな欲が出てくる。
おばさんやおじさん、慶太や竜と暮らすことで、幸せに浸い過ぎたのかもしれない。
幸せ過ぎて、それに慣れてしまった美優は、欲が出て、"愛"というモノが知りたくなってしまったのかも。