どうして?これが恋って言うモノなの?

こんな下らないヤキモチのカタマリが?




「そんなの分かってる。
でも、こうする事しか出来ないの!
叶わないって分かってるから、ヤキモチを妬いてしまうの!
好きだから、愛があるから!」




"愛があるから…"?

愛がこんな下らないヤキモチを生み出すの?

こんな純粋な思いが、こんないじめの方向に向かってしまうの?

そんなのおかしいよ。




本当の愛を知らない美優は、ドラマや本でイメージした愛しか分からない。

もし、優ちゃんが言うモノが愛だとしたら…

愛は難しくて、悲しくて、辛くて、苦しくて、きっと儚いモノだとおもった。




こんな下らないヤキモチに振り回され苛立っていた美優は、いつしか羨ましいという気持ちに変わった。

愛を知っていて、それを愛と言えたらどんなに幸せなんだろう。




イメージする美優の頭の中には、お母さん、おばさんやおじさん、そして慶太や竜の顔が浮かんだ。