一か八か…
このまま家に着く前に、捕まってしまったら…
それが美優の選んだ道なんだ。それが…美優の人生。
もし、家について家族に助けて貰えたならば…それは…美優の幸運。
一か八か…
美優は走った…
足が引きちぎれそうなくらい、今までにないくらい走った。
後から追いかけてくる音も、すぐ真後ろで聞こえてくる。
誰か…誰か…
そう思った。誰か美優を助けて。
助けて…
明かりが見えた。いつも美優をすっぽりと包み込んでくれた優しい明かり。
そこを目指して、走った。
ねぇ…?
天国のお母さん。
美優をどうか守って?