周りに誰も居ないことを、確認しているのに…誰かにつけられている様な、そんな感じがゾクゾクとする。




怖くない。怖くない。
誰もいない。




――ガサッ――




……!?




真後ろで、何か袋の様なモノが落ちた音がした。

さっきまで、これっぽっちも美優以外の足音なんて無かったはず。




気のせいでありますように。

このまま走って家に帰ろう。帰りたかった。でも、美優はそっと振り返った…。




この時、振り返えらずに、まっすぐ家に走ってれば良かった。なんて後悔するのはもう遅い。

これも美優が選んだ道?それとも定め?こんなめに会わなきゃ、美優は先を生きる事なんて出来ないのだろうか?

それとも…

この"あと"なんて無くて、このまま美優は無くなってしまうのだろうか。




"アイツ"を見たのに、冷静に物事を考えている自分に驚いた。

足はガクガクして、身動きなんて出来ないのに、頭は冷静に働いてる。

一層逆だったら良かった。そうだったら、今この場から抜け出せたのかもしれないのに。