どうする事もできない美優の感情は、コントロールなんて出来ないくらい、暴れてた。
何かがもがくみたいに、何かが溺れるみたいに、美優の感情を支配してる。
もう何も考えたく無かった。逃げて居ても仕方がない事は分かってる。
ただ時がどんどん過ぎて、タイムリミットが近づいてくるだけ。
そのタイムリミットがいつか分からない。もしかしたら明日かもしれない。明後日かもしれない。
そんな恐怖に怯えた。
でも、もう無理だ。いつタイムリミットがくるか分からない。美優は家族まで巻き込みたく無かった。
でも、家族を巻き込んだのは、美優がここに来たという時点で、巻き込んだんだ。
責任を重く感じる。美優は多分…この家を出て行かなければならない…。
その変質者を誘き寄せて…
逃げなければならない。