早く来てよ…
もう少しで家に着くけど、後から考えれば居場所を知られてしまう。もし、後ろに居るのが変質者だとしたら…。
でも間違いない。だって、そんな気がする。
前から人影が走ってくるのが見えた。暗くてよく見えない。
もしあれも変質者だったらどうしよう。そんな事を思ったら、足が進まなくなる。
前の人影がだんだん走るスペースを落として、美優に近づいた。
「美優?」
「…竜?」
やっと来た竜に安心して、その場で竜に抱き着いてしまう。
怖かったよ。
「大丈夫か?」
「うん。」
竜に耳打ちをして、さっきの出来事を言った。
竜はちょっと考えこんで、普通に歩き出した。
どこ行くの?