すぐに電話はブチ切れて、機械音がリズムよく鳴る。
切るのはやっ!
竜、迎えに来てくれるのかな?でも、もう家まで少し出し、帰ろう。
美優はさっきより歩くペースを速めた。
……?
さっきまでは、自分の足音しか無かったはず。なのに、ペースを速くした途端一歩遅れるような足音が、道に響く。
美優…耳おかしくなった?それとも感覚おかしくなった?
それを確かめようと、急に足を止める。
――ジリ――
美優の推測からゆくと、もう1人の"誰か"は運動靴を履いているのかも。
もしかしたら竜かもしれない。
だけど、けしてそんなハズはない。あんなに心配をしていた様子だったから、美優を見たら直ぐに駆けよって、怒るはずだから。
じゃぁ…だれ?
美優が止まったら足を止める。歩き始めたら、足を進める…
もしかして…
昨日担任の先生が、必死に"1人で行動するな"そう訴えていたのが頭を過る。
美優は身震いをして、キツク携帯を握りしめた。
もしかして…変質者?