十字架のネックレスで、真ん中にダイヤみたいな形の光るモノが埋め込まれている。

シンプルなデザインが、とてもいい。

これだったら、絶対竜に似合う。




「これプレゼントようにして下さい。」

「はい。ありがとうございます。」

店員さんが丁寧にラッピングしてくれた竜へのプレゼントを、大事に抱えながら美優は家路を歩いた。




こないだ、不便だからと言ってお母さんに買って貰った携帯を開いてみると、時間は19時を回っている。

メールが何通か届いていて、全てが家族からの心配メール。




機会音痴な美優が、やっと使い慣れてきた携帯で、一括メールを送信した。

"もうすぐ帰るよ。"




1分も立たない内に、着信音がなる。


着信:竜

「もしもし?」

「お前今どこ居んだよ?」

電話の向こうでは、息が乱れているみたいで、竜はゼイゼイしてる

もしかして…探してくれてたのかな?

「ごめんなさい。」

「いーから、今どこ?」

「んーと、学校の正門を真っ直ぐいった所を右に曲がったとこ。」

「ん。分かった。」