「次、2-A。クラスの出し物を発表してください」
 
放課後の教室に集められた、各クラスの文化祭実行委員たち。ここに揃っている面子は、文実をやりたくて皆立候補したのだろうか。

それとも私のように貧乏籤をひいたのだろうかと考えながら、指名された私は席を立って発言する。

「我が2-Aは喫茶店の案がでました」
 
手許のノートを見ながら、私は声を出し続ける。

「喫茶店は希望のクラスが多いですね。すでに1年生のクラスで3店もの出店が提案されています」
 
メガネをかけた、いかにも優等生らしい髪の毛を三つ編みにしている3年生の文実委員長が教壇から声を飛ばしてくる。

「ええ。ただ、単なる喫茶店ではなく、メイド喫茶という案でまとまりました。俗に世で云う、あのスタイルの模擬店です」
 
続けて、と云うようにメガネ三つ編みの委員長は頷く。