南生玖生とは違い、男の子に興味のない私は、たまに由実や有希とウインドーショッピングしたり、図書館で本を読んだり、ひとりで映画を見に行ってきたりと、男子がいなくても充分楽しい
毎日を送っていた。
 
恋などという厄介な感情はいらなかった。もっとも、恋というものが厄介なものかなんて、恋を知らない私には解らないけれど。
 
今はひとりでも楽しかったし、これといった恋についての悩みもなく、平穏に過ごしていた。
 
できれば学級委員や文実といった面倒くさい肩書きは取り外したかったけれど、ちょっとは面倒なことに巻き込まれなさいという神様からの啓示だと思うようにしていた。
 
世の中、そうそう平穏なことだけでは済まされないのだ。