私は大地の後に続いて歩き出す。と、突然大地はくるりと身体を振り向かせて、さっと私の手をとった。

「やっぱ、繋ぎたい」
 
私の手は大地の手の中に収まった。冷たくてつるつるしている手だった。
 
どくん、どくん、と私のハートが脈打つのを感じた。
 
手と手で繋がるだけで、こんなに身体に電流が走るだなんて。
 
私は思わず洟がでて、すすった。すするだけじゃ治まりきらなくて、手を繋いでいない方の左手で鼻を何度も拭った。

「どっかなんか食いに行こうぜ。あ、玖生は甘いもの苦手だっけ――って、おい!」
 
振り返った大地が、私の顔を見て大声を上げる。

「おまえ、血だらけ!」

「へっ?」
 
私は大地の言葉を飲み込めずにきょとんとしてしまう。

「鼻血出てるぞ」

「鼻血? どこから?」
 
私はとんちんかんな答えを投げてしまった。