大地はそう言って笑う。
 
改めて、彼氏、として認識する大地はかっこよくて、そんな風に思えることがくすぐったくて、私は妙にまごまごしてしまう。

「駅の方まで歩こうか」

「うん」
 
大地が先立って歩き出す。ネイルを褒められたことが、じんわりと嬉しくて、私は泣きそうになりながら彼の後に続く。

「ん」
 
すると大地が、身体の半分だけ振り向いて私に手を伸ばしてくる。
 
手を繋ごう、その大きな瞳が云っている。

「え、えっと……」
 
私は照れくさくて歩みを止めてしまった。そんな私の態度をおかしく思ったのか、大地は首を傾げ、立ち止まった。

「どうした?」

「手……繋ぐの?」

「繋ごうよ」